Feature

渡辺俊美×誰かと誰かのレコードジャケット S/PEAK

5th.guest / チバユウスケ

レコードジャケットに並々ならぬ思いを込める渡辺俊美が、ゲストの思い出盤(?)を軸にフリートーク。今回のゲストは日本ロック界のレジェンドの座に甘んじることなく、今もロックを求め続ける男・チバユウスケ。激情を静かな写真に込めたイギー・ポップのジャケットを眺めながら、写真家論から洋楽の目覚め(!?)まで語り尽くした。

PHOTO:RIEI NAKAGAWARA

今月のレコードジャケット
IGGY AND THE STOOGES
『RAW POWER』

“パンクのゴッドファーザー”の異名を持つイギー・ポップ率いるザ・ストゥージズが、ミキシングを担当したデヴィッド・ボウイの協力のもと1973年に発表した3rdアルバム。ニルヴァーナやセックスピストルズなどに多大な影響を与えたロック界屈指の名盤。ちなみにアルバムの邦題は『淫力魔人』。

渡辺「(チバが)イギー・ポップを選んだのは意外だと思った。UK系が絶対来るなと思ったもん。」

渡辺「(チバが)イギー・ポップを選んだのは意外だと思った。UK系が絶対来るなと思ったもん。」

  • 渡辺(以下W)(『RAW POWER』を眺めがながら)迷わずこれにした?
  • チバ(以下C)そうですね、結構迷わずに。まぁ、何枚か迷ったのはあったんだけど。
  • W ちなみに、最後まで迷ったのは?
  • C ザ・フーのファースト(『My Generation』)と、ローリング・ストーンズのチャック付きジャケットの『Sticky Fingers』。
  • W でもやっぱり、これは凄いよね。カメラマンの“好きだ!”ってエネルギーが全面に溢れてるもん。俺がイギー・ポップを聴き出したのは東京出てきてからなんだけど、どういうきっかけで聴くようになった?
  • C 19とか20歳の時に流れで掘っていったって感じですね。
  • W 俺もそう。デヴィッド・ボウイとかマーク・ボランとかも。ザ・クラッシュをきっかけに、「70年代の前はどんなんだろう?」ってなってね。
  • C (デヴィッド・ボウイで言うと)『Let's Dance』前ですね。
  • W そう、『Let's Dance』前ね。
  • C 『Let's Dance』は多分、俺が15〜6歳の頃かな。流行ったのは。
  • W 俺が高校3年生くらいの時だから。ナイル・ロジャースとかね。
  • C スケアリー・モンスターズとかもかな。ガキの頃あれを聴くと「何て凄いんだ!」って思っちゃう。日本語のナレーションとか入ってきて、「これがニューウェーブだ!」って(笑)。ジャパンとかも聴いてたなぁ。
  • W そうだよね。俺、剣道部で坊主だったのに化粧して高校行ったことあるもん。ただの気持ち悪い奴だよね(笑)。やっぱり、イギリスの音楽が一番だった?
  • C どうなんだろうなぁ。ストゥージズはアメリカだし、あんまりそういうところは考えないで聴いていたと思う。段々情報が入ってくると、“これはどこのバンドで、こういう風土があったからこういう感じなんだ”とか、“イギリス英語とアメリカ英語の唄への乗せ方の違い”とか“訛り”とか後からわかってきて。
  • W そういうのを意識して聴くと、逆に狭くなっちゃうよね。全部ユニオンジャックになっちゃうもん(笑)。でもやっぱり、(チバが)イギー・ポップを選んだのは意外だと思った。UK系が絶対来るなと思ったもん。
  • C そうかぁ。
  • W うん、流れ的にはね。
  • C これって3枚目じゃないですか。ファーストがあって、『FUN HOUSE』があって。でも俺、一番最初に買ったのがこれのブート盤だったんですよ。アルバムの中に『SHAKE APPEAL』って曲があるんだけど、違う歌詞で唄っているのが何かで流出して。ちゃんとレコーディングしたやつ。安かったから先にそっち買っちゃったんだけど、改めて買い直したら同じ曲なのに俺のやつと違う(笑)。
  • W カバーとかじゃなくて?
  • C 本人なんですよ。メンバーも一緒。
  • W でも当時って、いっぱいブートレグあったよね。小学生の頃、キッスが好きでブートレグのライブ盤ばかり買ってたなぁ。
  • C ジャケットもしっかり作られてるから、本物なのか何なのかわからないんだよね。
  • W あと、オムニバスね。色々な曲をかいつまんでてジャケットもダサいやつ。当時よくあった貸しレコード屋から拾って、そこから好きなやつをチョイスしてね。
  • C 行ってましたね。それしかなかったから。

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PROFILE

渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET、ZOOT16、猪苗代湖ズ)
TOSHIMI WATANABE
1966年12月6日・福島県出身

1990年に「TOKYO No.1 SOUL SET」を結成。ソロ活動や他アーティストとのコラボ、楽曲提供も盛んで、福島県出身ミュージシャンなどと結成した「猪苗代湖ズ」でも活躍。メンズブランド「WHATEVER WORKS」のディレクションも務めるなどファッション感度の高さにも定評がある。映画初主演となる『パパのお弁当は世界一』が2017年中に公開予定。
watanabetoshimi.com


今月の客人

チバユウスケ YUSUKE CHIBA 1968年7月10日・神奈川県出身

日本のロック史に燦然と輝くバンド・THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのフロントマンとして活動開始。解散後の2005年に同メンバーのクハラカズユキらとともにThe Birthdayを結成。5月10日には9枚目となるアルバム『NOMAD』を発表。5月27日の横浜Bay Hallを皮切りに全国ツアーをスタートさせる。
www.rockin-blues.com

supported by NIXON
https://www.nixontokyojapan.com/


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