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渡辺俊美×誰かと誰かのレコードジャケット S/PEAK

8th.guest / 山口 隆

6月に待望の第三子が誕生し、すっかりデレデレ状態のロックパパ・渡辺俊美が、対談相手が愛するレコードジャケットに切り込み! 今月は日本語ロックの可能性を広げ続けるバンド「サンボマスター」のフロントマン・山口隆が来訪。彼が持参したレコジャケは、なんと渡辺率いるTOKYO NO.1 SOUL SETのサードアルバムということもあって、いつもより対話は饒舌に…? PHOTO:RIEI NAKAGAWARA

今月のレコードジャケット
TOKYO No.1 SOUL SET『9 9/9』

今も歌い継がれる名曲『Sunday』も収録したTOKYO No.1 SOUL SETのサードアルバム(1999年発表)。メンバーの日常をモノクロで切り取ったようなフロントジャケットは、メンバーの顔が確認できず、渡辺に至っては体の一部しか写っていないという人を喰ったような構図が最高にロック。

渡辺「いろんな人が俺たちの意思と関係無しに、勝手に想像して動いている感じを見るとシメシメって思うよ」

渡辺「いろんな人が俺たちの意思と関係無しに、勝手に想像して動いている感じを見るとシメシメって思うよ」

  • 山口(以下Y) 『9 9/9』は衝撃的でしたね。音もジャケットもショッキングで、何でこんなに格好良いんだろうって思ったんですよ。95年くらいだから、買ったのはちょうど大学生で20歳くらいの頃だったかな。最初見た時は「何このジャケット! ヤバい!!」と思いましたよ。これ、メジャーですよね?
  • 渡辺(以下W) そうそう、それこそ(サンボマスターと同じレーベルの)スピードスターだよ。スピードスター第一弾。色々な人に迷惑かけたな〜。
  • M 噂は聞きました。一日何十万円もするスタジオ使って、ディレクターの人が様子を見に行ったら、ゲームしかしてなかったって(笑)。
  • W ハッハッハ(笑)。
  • M しかも食べ物の領収書だけ渡されて泣きたくなったって(笑)。このジャケット、中面も凄く格好良いんですよね。
  • W 最初はこっち(イラスト)にする予定だったんだよね。でもスピードスターが、「これだとワケわからん」ってNG出したの。
  • M 俊美先輩的には、イラストでも大丈夫だったんですか?
  • W 俺は良いって思ったんだけどね。面白いし、何て言うか、“図鑑に出てくる間違った人の絵”みたいな感じがあるじゃん。
  • M ゼロ年代のUSインディーズみたいな感じがありますよね。
  • W そうそうそう。ソニックユース的な何かがあるっていうかね。でも結局これ(写真のジャケット)になったのは、「ルースターズっぽいね」って話になったから。
  • M 僕、これこそ90年代東京の象徴で、歌詞も内容も本当にロックンロールの名盤だと思うんですよ。
  • W イルドーザー(ジャケットを手がけたデザインチーム)は、やっぱり視点が面白いよね。
  • M どうやって打ち合わせしていったんですか?
  • W 打ち合わせ無し!
  • M 依頼して、オッケーなら何も言わないんですか?
  • W そう。でもギリギリのギリギリ。今日出さないとアルバム発売間に合いませんって言ってた日に、一応他のもあったんだけど、最終的に石黒(イルドーザー)が「やっぱりこっちに代えてくれませんか?」ってこれ持って来て(笑)。
  • M ハッハッハ(笑)。やっぱり僕の中でインパクトのあったジャケットですよ。日本盤海外盤含めて。あの当時の日本じゃないと出せなかったと思うんです。普通にトランクスでダサダサなはずなのに、何でこんなに格好良いんだろう。
  • W 俺も結局顔は見えてないんだけど、これで良いんだっていうかね。
  • M 何でこんなにオシャレなんだって思いましたね。
  • W この後に色々な人がジャケット制作に携わってくれるんだけど、やっぱりこの『9 9/9』のイメージが一番強いみたい。「ソウルセットのジャケットはオシャレじゃないとダメですよね?」みたいな先入観があるみたいで。このジャケットは見ようによってはジャズのジャケットにも見えるし、ハードコア的でもあるんだけどね(笑)。
  • M 確かにそうですね。
  • W だから、いろんな人が俺たちの意思と関係無しに、勝手に想像して動いている感じを見るとシメシメって思うよ。サンボマスターも初期はメンバーがジャケットに出てたと思うんだけど、最近はあまり出てないよね。心境の変化?
  • M 心境の変化というか…こんな顔もう見飽きたでしょって(笑)。
  • W ハッハッハ(笑)。じゃあ今度『9 9/9』みたいなのやろうよ。ちょうどスリーピースだし。
  • M 俺たちがやったら倫理委員会から苦情が来ちゃいますよ(笑)。

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PROFILE

渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET、ZOOT16、猪苗代湖ズ)
TOSHIMI WATANABE
1966年12月6日・福島県出身

1990年に「TOKYO No.1 SOUL SET」を結成。福島県出身ミュージシャンなどと結成した「猪苗代湖ズ」でも活躍。メンズブランド「WHATEVER WORKS」のディレクションも務める。自身のソロプロジェクト「ZOOT16」の公式サイトではオリジナルTシャツなどのグッズを不定期で発表。即完なのでこまめにチェック。
watanabetoshimi.com
www.zoot16.com


今月の客人

山口 隆 TAKASHI YAMAGUCHI 1976年2月8日・福島県出身

2000年に東洋大学のサークル仲間であった近藤洋一(Ba)、木内泰文(Dr)と、パンクロックバンド・サンボマスターを結成。ボーカル&ギターを務める。渡辺俊美とともに猪苗代湖ズとしても活動中。9月からは「今年は何かとはっちゃけたい!~2017全国ツアー~」後半戦がスタート。12月3日にはキャリア初の日本武道館公演が控える。最新アルバム『YES』絶賛発売中。
www.sambomaster.com

撮影協力:Little Nap COFFEE STAND 東京都渋谷区代々木5-65-4 TEL:03-3466-0074 http://www.littlenap.jp/#1


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