常識を凌駕する“新時代のネイティブジュエリー” Interview with 「GOD SUNS」
イーグルやフェザーといったネイティブ系アクセサリーは、古くから男の装飾品の鉄板だ。組み合わせを変えるなど自分好みのカスタムに熱中するRUDO読者も少なくないだろう。このネイティブアクセサリー界に、今新風が吹き込んでいる。その発生源となるブランドが「GOD SUNS(ゴッドサンズ)」だ。ネイティブ系のモチーフは扱うものの、従来のそれを凌駕する美しい仕上げは、“ジュエリー”と呼称したいほどの完成度を誇っている。今回はその背景に迫るべく、中心人物である二人のYODA氏に話を聞いた。
常識では考えられない磨きの工程とサイズ展開
ーーネイティブジュエリーというジャンルは歴史が長いし、ブランドがたくさんあると思います。アイテムにストーリーを込めている以外にも、他にはない特徴はありますか?
Y 素材の徹底です。僕が見てきたネイティブジュエリーは、アンティークのものばかりでした。傷が入っていたりとか。それはあえてだし、僕ももちろん好きです。でも、新しい時代に新しいジュエリーを出していきたいので、ジュエリー感を足したいと思っているんです。ネイティブに高級感を加えるというか。だからこそ素材はシルバー925ではなく、より深みのあるシルバー950を多く使っています。その方が透明感があるんですよ。銀の純度が違うので当たり前ですが、その透明感をどこまで出せるかを追求したいんです。
M 強度が必要な部分は、もっと固い925を使っていますが、950は輝きがよりシルバーに近いんですよね。
Y だからこそ透明感のある綺麗な輝きを追求していきたいので、磨きの工程には時間をかけています。
M 磨きが少ないと火ムラが残りやすいんですよ。ただ、普通の磨きの工程だとバングルで大体1時間くらいかかるんですけど、僕たちは作業時間を倍以上かけているので大変(笑)。
Y でも、ジュエリーって高い商品だからこそ妥協したくない。もちろん、ネイティブジュエリーにおいては火ムラもありなんです。あえて残すところもあるし、それも味があるので良し悪しではない。ただ、ないならないに越したことがないというか、完成度は高くなると思っていて。やっぱり新しいスタイルで出したかったんです。僕の思いは極上の輝きを手にして、大事に育てながら自分のカラー(硫化)にしていく過程こそがリアルであって、手にした人にとって“最高の至福”になってくれたら嬉しいですね。
M 20個磨き上げて全部ダメって言われることもありますよ。それくらいYASUYUKIは検品が厳しいよね。ただ、それをクリアしたものは、光を当てるとわかるんですが、綺麗なので見とれちゃうこともあるくらい。
Y 「ゴッドサンズ」としては高級感があってラグジュアリーなもの、それなりの価値があるものという風に思ってもらいたいですからね。ゴールドもX線を使って検品して最高純度のものを使っているので、品質では他に負けないと思っています。
M ターコイズもそう。天然のトルコ石を使用しているんですが、実は日本に入ってくるものの品質が年々悪くなってきているんです。天然なんだけどグリーンっぽくて悪いものとか。だからそれは一切使わないで、最近では上質なトルコ石はもちろん、アリゾナ産のスリーピングビューティーやキングマンなど綺麗なものを使用しています。
ーー先ほど少し話に出ましたが、「ゴッドサンズ」のアイテムは、大中小だけじゃなく、さらにそれより大きいサイズや小さいサイズも用意している。それも特徴的ですよね。
Y サイズは特に重要だと考えていて、特大のものからミニマムなものまで作っているのは、おそらく業界初だと思います。これにも理由があって、以前勤めていたブランドにいた時から僕はお客さんの様々なニーズを聞いていました。その中で圧倒的に多かったのがサイズのこと。例えばクロスとかってワンサイズが多いんですが、そうなると「小ぶりなものが欲しいのに…」という好みに対応できない。僕は逆に「もっと大きいものがあってもいいのに」と思っていましたし。だから、お客さんが本当にほしいサイズのものを届けたいと、ずっと思っていたんです。そうすると男性も女性もファッションの違いも関係なく、全員がカスタムを楽しめるじゃないですか。僕はそれこそネイティブジュエリーの楽しさだと思うんです。自分の好みでもいいし、ファッションでもいいし、自分の人生を表現してもいいし、好きな組み合わせを追求する醍醐味を、より多くの人に伝えたいんです。その思いでサイジングを幅広く用意しているんです。
M ちょっと多すぎるので後悔もしてますけどね、作るのが大変なので(笑)。
Y 届けたいという思いの方が勝っちゃったんですよね(笑)。気に入ったアイテムがあっても、サイズがないと仲間外れにされちゃってるという風に僕は思っちゃうんです。作ることが大変なのは十分わかってるんですけど、サイズ展開だけは多くしておきたいですね。
M お客さんからは、新作を出すと「(サイズ展開を)期待しています」と言われちゃいますから、頑張らないとですね(笑)。