飲んで飲まれて男談義「おごられ酒」 ANDFAMILY’S 村上 游

飲んで飲まれて男談義「おごられ酒」 ANDFAMILY’S 村上 游

男という者、それ即ちそれぞれの道を行く者なり。というわけで、あらゆるシーンで活躍する男たちに“おごられながら”(ここ肝心!)話を聞く連載企画第四回! 今回はハウスブランドを志向する「ANDFAMILY’S(アンドファミリーズ)」の代表・村上游。個性的な経歴を持つ男が、彼自身が経営に参画する名ラーメン店で己を語り倒す!

利尻昆布を生かした絶品ラーメン店で酒をつまみに男談義!

 

 

ーーこのお店(「利尻昆布ラーメン くろおび」)は、村上さんが携わっているとか?

 

村上 そうそう。もともと新橋の前は浜松町でやってたんだよね。ビルの建て替えがあるまでの2年計画でやろうと思ってたんだけど、調子が良かったんで、2年前くらいにここに移転してきました。

 

ーーファッションブランドの人なのに、なんでラーメン屋をスタートしたんですか?

 

村上 知人と一緒に始めたんだけど、彼が最初、「面白いラーメンをやりたい」と言い出したんだよね。子供にも女性にも食べやすい無添加のやつ。その発想自体が面白いなと(思って一緒に始めた)。関東だとこってり系が主流だけど、我々がやるのはそれとは逆のヘルシーなもの。メインコンセプトは“京風ラーメン”。「京都の割烹みたいなところで、ラーメンがあったらいいよね」ということで割烹ラーメンをコンセプトにしています。こっち(新橋)に移ってきてからは店内も明るく、内装をヒノキ風にして、女性が一人で来てもくつろぎやすい場所を意識しています。

 

ーーなんで“くろおび”って名付けたんですか?

 

村上 昆布出汁を使ってるから。昆布って黒くて長いでしょ。それに見立ててるんですよ。それに黒帯ってランクが上だしね。実際に使っているのは利尻昆布です。一緒にやってる人間が北海道に行った時に、昆布出汁のスープを飲んだらすごく美味しかったみたいで、「それをラーメンに持ち込んだら凄いことになるんじゃないか」ということで、それをベースにいろいろ試行錯誤をして完成させました。

 

ーースープ以外にもこだわりはありますか?

 

村上 なるべく北海道にある素材を使うということ。僕らは北海道生まれでも何でもないんだけどね(笑)。ウニの一夜漬けとか、使ってる素材は北海道のものが多いかな。お酒を飲むためだけにも来れるし、シメにラーメンも食べれるのでいいでしょう(笑)?

 

ーー抜群です! (つまみに出てきたものを見て)これはワンタン?

 

村上 そう。醤油とか辛子とかつけて、好きに食べてみて。そのまま食べてもうまいよ。

 

ーー本当ですね、すごくうまい! エビが入ってるんですね。飲食店の経営自体は経験あったんですか?

 

村上 まったくない。昔からやってみたかったんだけどね。でも、洋服もそうだけど、僕らの持ち味を売ってるようなもんだから、料理屋さんも基本は同じだと思う。

 

ーーお酒も多いんですよね。ラーメン屋さんじゃないみたい。

 

村上 お酒にもこだわりがありますから。一緒にやってる人間は「國酒禊」っていう日本酒も作ってて、ヴィンテージのもあるんですよ。餃子とかつまみもいっぱいあるので、まずはそれで一杯やって、最後にラーメンを味わってもらう。いわばお客さんへの優しさがあるんだよね(笑)。

 

 

 

まるで割烹料理店のような「くろおび」の門構え。のれんをくぐるワクワク感がある。

 

場所は虎ノ門ヒルズの近くで、JR新橋駅からも歩いてすぐ。海外からのお客さんも多いという。

 

暑さに疲れた体にはビールが一番。エビスの中瓶(¥650)で乾杯です!

 

プリプリとした食感の海老ワンタン皿盛り(¥350)。他のラーメン店では滅多にないツマミが揃うのも嬉しい。

 

ラーメン店には珍しくポテトサラダ(¥350)も用意。ジャガイモの旨味がしっかり感じられる丁寧な料理だ。

 

ほどよく濃い味付けのねぎチャーシュー(¥400)。舌を刺激するピリッとした辛さが食欲を増進!